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露店くじ引き“せこい”詐欺商法…「当たりなし」と見抜いた客と警官の目 [芸能ネタ]

露店がひしめく夏祭り。小遣いを握りしめ、豪華賞品を狙ってくじ引きに夢中になる姿は今の子供も変わらない。ところが7月、そんな楽しみを台無しにする事件が大阪で起きた。当たりが入っていないくじを引かせて現金をだまし取ったとして、露店アルバイトの男が詐欺容疑で大阪府警に逮捕されたのだ。きっかけは賞品の人気ゲーム機目当てに、子供たちに負けじと1万円以上をつぎ込んだ男性の訴え。男性は警察官にこう力説したという。「何度引いても当たらない。あのくじは詐欺だ」

7月27日夜、大阪市阿倍野区の阿倍王子神社。例年2万人が訪れる夏祭りの初日とあって、神社周辺の路上には午後4時すぎから150を超える露店が所狭しと並んでいた。

 「よう当たるで」「どんどん当たり出してゲーム持っていきや」

 威勢のいい呼び込みで存在感を放っていたのが、くじ引き店を仕切っていた露店アルバイトの男(45)=大阪市西成区=だった。店の屋号は「ビックチャンス」という。

 代金は1回300円、2回なら500円。プラスチック製の箱の中から1~100番までの数字が振られた紙くじを引き、60番以上が出れば最新ゲーム機やゲームソフトなどの賞品が当たるという触れ込みだ。

 店は盛況だった。客の大半は付き添いの親に小遣いをせがんで数回くじを引く小学生以下の子供たち。男は「今やったら特別に55番以上の番号も当たりにする」と恩着せがましく射幸心を煽っていた。

 ところが午後8時ごろ、一人でふらりと現れた男性客が潮目を変える。男性は高額のゲーム機が賞品にあると知るや、店の正面に20分以上陣取り、ひたすらくじを引きまくった。費やした金は1万円以上。およそ40枚を引いたが、当たりは1枚も出なかった。

 男性はそのまま神社から約800メートル離れた阿倍野署に直行。応対した警察官に「露店で1万円以上くじを引いたのに当たりが出ないのはおかしい。あのくじは詐欺だ」と訴えた。

 同じ頃、路上で祭りの警戒をしながら店の様子をうかがっていた同署の捜査員も、男の詐欺行為を疑っていた。目の前でくじを引いた100人以上の客は全員外れ。男性とは別の客からも「いんちきではないか」と相談を受けていた。

 同署は翌28日午後4時半すぎ、詐欺容疑で開店直後の店を捜索。箱の中にあった340枚のくじを開いたところ、見事に54番以下の外れくじばかりだった。男は捜査員に「当たりは入れていません」と告白。そのまま同日夜に逮捕され、8月には同罪で起訴された。

 ■賞品はダミー

 男の逮捕容疑は7月27日夜、18~40歳の男女3人に当たりが入っていないくじを引かせ、現金約1万4800円をだまし取ったとしている。

 だが、実際の被害はこんなものではない。男は「27日だけで10万円超を売り上げた」と供述。「2回で500円」という代金を考えれば、少なくとも200人以上がくじ引きをした格好になる。男が一晩でこれほどボロ儲けできたのは、豪華な賞品に客が飛びついたからだ。

 男が賞品としたのは61~70番がエアガン、71~80番が各種ゲームソフト、81~100番が「Wii U」や「プレイステーション3」といった機種の異なる最新ゲーム機5台。ゲーム機の店頭販売価格はそれぞれ約1万3千~2万5千円で、5台の合計額は約10万円に及ぶ。

 さらに、店には計103点の賞品の箱が置かれていたといい、賞品総額は15万円はくだらないとみられる。店側からすれば、300人以上にくじを引かせてようやく採算が合う設定だ。

 一方、客側からしてみれば、たとえ1万円を“投資”しても、ゲーム機が1台でも当たれば元手がとれることになる。分別のある大人が子供に混じってくじ引きに必死になるのも無理はなかった。

 ところが現実には、客がもらえると信じた賞品の大半はダミー。店頭にはこれ見よがしに賞品の箱が陳列されていたが、中身が見えるように飾っていたエアガンと一部のゲームソフト以外はすべて空箱。ゲーム機の箱にいたっては、賞品が入っているように見せかけるため、丸めた新聞紙でわざと箱を膨らませていた。

 男が施した偽装工作はほかにもある。外れくじを引いた客に「残念賞」として紙風船を渡していたのだ。外れでも賞品がもらえることで、客が公正なくじと勘違いした可能性が高い。

 府警の捜査関係者は「露店くじでは真面目に営業すれば採算割れになってもおかしくないような賞品を並べている店が珍しくない。高額賞品ばかりを当たりにしている店は警戒するに越したことはない」と打ち明けた。

 ■ローコスト・ハイリターン

 そもそも露店のくじ引きはたこ焼きや綿あめ、金魚すくいなどと同様、昔から定番とされてきた。長らく出店が続くのは、設備投資の必要がなく、利益率が高い「ローコスト・ハイリターン」のビジネスモデルだからだ。

 例えば食べ物を提供する露店では、材料以外に調理器具やガスといったコストもかかる。ところがくじ引きは賞品とくじさえ準備できれば営業可能だ。当たりくじをどれだけ用意するかは店次第。当たりの数を減らすことで簡単に利益を増やすこともできる。

 また、くじは玩具の問屋で安価に手に入る。事件で使われたくじも既製品だ。男が購入したという大阪市内の問屋街では、「1~50」「51~100」といった50個の数字がセットになったくじのシートが1枚30円弱で売られていた。

 こうした“せこい”詐欺商法は事件発覚後、インターネットの掲示板などで話題になった。書き込みには「露店のくじはやはり詐欺なのか」といぶかる意見が相次ぐ一方、「こんなことが事件になるとは」と驚く反応も目立った。

 実際、くじ引きの露店が詐欺容疑で摘発される例は極めて異例だ。捜査関係者は「正直、露店くじをめぐって客が被害を申告したというケースですら今まで聞いたことがなかった。祭りで楽しい気分になったついでにくじを引くせいで、多少損をしても余興と思って目をつぶる人が多かったのではないか」と指摘する。

 店主の裁量によって儲けが決まる露店くじ。同署は売り上げが暴力団の資金源になった可能性もあるとみて、引き続き男の背後関係を調べている。





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